『ゴジラ-0.0』感想・レビュー【評価★★★★★】

865本目の映画レビューは、2026年11月3日公開・山崎貴監督、神木隆之介主演の『ゴジラ-0.0』。 アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』から3年ぶりの続編を、 幼稚園の頃からゴジラ映画に親しんできた立場でレビューします。

前作の結末や本作の展開に触れるネタバレを含みますのでご注意ください。 満足感は半端ではない一方で、トラウマも増える、まさに絶望の上塗りのような一作でした……。



公式チャンネルより

良かった点・気になった点

  • 生物・戦争・原爆・人間と、あらゆる角度の「生々しさ」を描写と音楽で刻み込む圧倒的な没入感
  • ゴジラ対ギドラの戦いは、モンスター・ヴァース作品と錯覚するほどの映像クオリティ(白組の技術力やばすぎ……!)
  • 昭和〜平成シリーズの要素をふんだんに取り入れつつ、一本の映画としてまとめ上げている
  • ギドラと人間ドラマの比重が大きく、主役であるゴジラの出番がもう少し欲しかった

『ゴジラ-1.0』が残した「恐ろしいゴジラ映画」の記憶

前作『ゴジラ-1.0』をひと言で表すなら「恐ろしいゴジラ映画」でした。 熱線や再生の描写が怖かったのではなく、ゴジラを倒して明るい終わり方かと思いきや、典子に痣が浮かぶという結末……。


鳴海は初見では気づかず、SNSでざわつく人たちを見て二度目の鑑賞で確認すると、たしかに痣がありました。 敷島がやっと救われると思ったのに、こんなエンディングはあんまりだ……ゴジラ映画なのにひどく尾を引いたのを今でも覚えています。 幼稚園の頃から大好きなゴジラ映画で、こんなトラウマを植え付けられるとは思いませんでした。


だからこそ、あの結末から続編がどんな物語になるのか、まったく想像がつきませんでした。 その結果、想像もしなかったとんでもない映画が誕生していました。


絶望の上塗りと「生々しさ」

結論から言うと、満足感は半端ではありません。ただ、トラウマも何個も増えました。 生物的な生々しさ、戦争の生々しさ、原爆の生々しさ、人間の生々しさなど、 ありとあらゆる角度から、描写と音楽が頭の髄まで刻み込まれていくあの感覚を劇場で味わえたのは幸か不幸か。

こうして朝6時になろうかというのに、観た直後の勢いで書いていますが、感情が大洪水すぎてうまくまとまった文章になりません。

観た人ならきっとわかってくれるはずです。

ですよね??


序盤:不穏すぎるBGMと首ひとつのギドラ

序盤は、ロゴが出た瞬間から不穏すぎるBGMが流れます。このBGMは一生頭から離れそうにありません。

作曲の佐藤直紀さん、なんてことをしてくれたんだ……。


最初に暴れているギドラは首がひとつ。初代ギドラの構想段階の色に近い色味に感じられ、 こういう部分まで考え抜かれたのだろうなと想像しながら観るのが本当に楽しかったです。

細部にゴジラ好きな要素を味わえるのがいいですよね~。


キングギドラへの変貌とトラウマの引力光線

話が進むとギドラは首が3つのキングギドラになります。DNAを取り込んで進化していく流れは、 ガメラシリーズのギャオス(というよりイリス)に近いものを感じますよね。

カイザーギドラもゴジラからエネルギーを吸収していましたし、ギドラの一族は意外とそうやって強くなる性質なのかも??

そしてここからさらにトラウマポイントが増えます。

引力光線は、いつもの黄色い破壊光線的な描写に加え、 本当に引力で物を浮かせる描写をここまでしっかり描いたのは本作が初めてではないでしょうか。 家にはまだ人がいて、赤ん坊まで犠牲になる……。とんでもないシーンを作ったものです。


広島とニューヨーク、人間描写の拍車

化け物には化け物をぶつけるしかなくなる展開から、人間描写の拍車のかかり方がとんでもない。

日本人なら誰しもに刺さる広島の描写や、復讐を果たそうとするお爺ちゃんの妄想ニューヨークシーン。

人の溶け方がえぐすぎる……。

原爆を体験したからこそ、ゴジラの熱線を経てこうなるぞと考えるのはわからんでもないですが……。


ゴジラvsギドラ:白組の映像技術に脱帽

ゴジラとギドラの戦いは、これが本当に日本の映画なのかと思うほどクオリティが高く、 モンスター・ヴァースのゴジラ映画を観ているのかと錯覚するほどの技術力。

白組、あまりにも凄すぎる……。


ギドラがゴジラ化するという、今までのシリーズにない展開には興奮しました。 ただ正直なところ、小さなゴジラの頭が3つ付いている姿は「気持ち悪ッ!!!」と感じ、違和感の塊。 そんなギドラを最高の熱線で焼き払ってくれて、スッキリしました。

ありがとう我らの王。


結末:続編への布石とシリーズ要素の集大成

人間模様がわちゃわちゃした末に迎える結末は、一応綺麗に終わったと言えます。 一方で、敷島家は逃亡生活になり、お爺ちゃんは捕まるなど、続編への布石も置かれています。 スタッフロールでもあの禍々しいBGMを聞かされて終わり。

ゴジラ細胞やゴジラを呼ぶ要素など、昭和〜平成シリーズの要素もふんだんに取り入れつつ、 一本の作品としてまとめ上げたことには拍手喝采です。


気になった点:もっとゴジラの出番が欲しかった

ただ一つだけ物申したいのは、我らが主役、ゴジラ様のシーンがもう少し欲しかったということ。

ギドラが主役の怪獣映画のようになっていた印象があります。いやまぁしょうがないんですけど。

ゴジラ御大将の登場の仕方、腕を引きちぎられても再生するところ、空中に吐いた熱線、最後の熱線と、挙げればどれも最高のシーンでした。 それだけに、彼の出番はもう少し観たかったです。


ギドラのシーンと人間のシーンが多く、前作で脅威だったゴジラの恐ろしさは、怪獣としての要素では減ってしまった印象です。 その代わりに、ゴジラ細胞が人の体に影響を及ぼすというグロい見せ方でゴジラの脅威を描いてはいますが、 観たいのはそういうことではない……と思いました。これもまたトラウマになったポイントです。


まとめ

なぐり書きになってしまいましたが、あの前作からこのような続編を作り上げてくれたことには感謝しかありません。 新しいゴジラ映画の歴史が刻まれた瞬間に立ち会えて光栄でした。 続編なのか新しいゴジラ映画なのかはわかりませんが、次にまたゴジラと会えるのを楽しみにしています。 評価は迷わず★5です。


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#鳴海の映画部屋