『ストリートファイター/ザ・ムービー』感想・レビュー【評価★★★】

864本目の映画レビューは、2026年10月16日公開・キタオ・サクライ監督、 アンドリュー・小路主演の『ストリートファイター/ザ・ムービー』。 ストⅡを昔から遊んでいた映画好きの目線で、ラストや敵キャラなど一部ネタバレを含みつつレビューします。 粗もツッコミどころも満載なのに、なぜかまた観たくなる中毒性がある一作でした。


良かった点・気になった点

  • 必殺技やエフェクトの再現度が高く、今だからこそ表現できる格ゲー実写化になっている
  • 共闘や1vs1など、人離れした対決シーンのアクションが爽快。カメラワーク・エフェクト・SEも気持ちいい
  • リュウ・ケン・ガイルなど、一部キャラの性格や言動が原作とかけ離れ、安いジョークで盛り上がりが薄まる
  • ベガと豪鬼の2人が敵として登場し、ラストの覚醒のカタルシスが弱い
  • 続編を匂わせるCパートが弱く、1作目として歯切れの悪い終わり方になっている

予算を注ぎ込んだ「B級格ゲー実写映画」

ストⅡを遊んできた身として、まさか実写映画でここまでのクオリティの作品ができるとは思いませんでした。 結論から言うと、めちゃくちゃ予算を注ぎ込んだB級格ゲー実写映画です。 これまでの実写化と比べて、原作を再現しようとする心意気は非常に感じられます。


特に各キャラクターの必殺技やエフェクトは、今だからこそ表現できることを目一杯実写に落とし込んでいます。 技だけでなくアクション面も楽しめ、共闘や1vs1の人離れした対決シーンは、 ゲームから落とし込んだカメラワーク、エフェクト、SEのおかげで観ていて爽快です。 アニメパートのクオリティも非常に高く、「これで2時間でもいいのでは?」と思う人もいそうです。


ちなみにBGMアレンジは最高にかっこよかったので、普通にサントラ欲しくなるレベル。

スト6にコラボとして入れて欲しいっす。


ZEROからⅡまでを一つの物語にまとめた原作アレンジ

キャラクター設定はすべてが原作どおりではなく、ストZERO、ストリートファイター1作目、ストⅡの要素を一つの物語にまとめています。 お馴染みの要素もあれば、ゲームから外れている部分もあり、そこに違和感を覚える人もいるでしょう。


ただ、それはオリジナル要素として目を瞑ってもいいのでは、と思います。 原作準拠でないと嫌だという人には残念ながら合わないでしょう。 とはいえ『バイオハザード』のときも感じましたが、原作どおりの再現を求めすぎると「それならゲームでいいのでは?」と鳴海は思ってしまいます。 エッセンスをうまく振りまきつつ新たな落とし込みをしてもらったほうが、娯楽として楽しめるはずです。


気になった点:キャラの軽さと安いジョーク

もちろん手放しで称賛できる作品ではありません。オリジナリティは大事だと思う一方で、 原作から飛び抜けて外れると抵抗感が出ることも理解できます。


リュウがケンに隠して招待状を燃やすのは原作ならまずやらないですし、ガイルもあんなにフランクな会話はしません。 ケンもラフすぎて、かっこよさの前にただのチャラ男に見えてしまうのは悲しいところです。 後半の追い込みで盛り上がる場面が安いジョークで薄まってしまったのも残念でした。 それが本作のテイストであり、一貫してはいるのですが。


最大の問題は「敵キャラが2人」いること

問題だと感じたのは、ベガだけでなく豪鬼まで登場することです。 告知の段階から「豪鬼も出るの?」と思っていた疑問がそのままマイナスに働き、 ベガも豪鬼もいることで、ラストの覚醒の良さが薄まってカタルシスが得られませんでした。


たとえば共闘でベガを倒す際に、ケンも波動拳を使えるようになり力に目覚める、という演出なら最高にかっこよく、 気持ちよく話を終えられたはずです。キャラクターが多いので展開が薄まるのは仕方ないものの、 主人公が悪役を倒すという綺麗な構図で終われなかったのは歯切れが悪いと感じました。


続編ありきの作りであることはエンディングからも分かります。ただ、物語の一作目なのですから、 せめてCパートで続編を匂わせてほしかったです。たとえば、リュウとケンがベガを倒した後に、 豪鬼が二人の覚醒に気づいて挑みに行こうとする、といった終わり方です。 実際のCパートはサガットのリベンジを描いたもので、敵が多くてごちゃごちゃした展開に加え、 リュウにいじられてタイトルロゴが出て終わりでは、終わった感がありませんでした。


一方で、エンドクレジットの演出は非常に良かったです。『モータルコンバット』をはじめ、 最近の実写作品はエンドクレジットの映像美が本当に素敵だと思います。

キャラクター別の感想

  • リュウ:お前そんな奴じゃないだろ!と思いつつ、ネタにされていたラーメン屋が本当に採用されたのには笑ってしまいました。
  • ケン:チャラ男すぎます。もう少し強いケンが観たかったものの、少しずつ覚醒していく流れが良かったので及第点です。
  • ガイル:そんなキャラじゃないだろ!と言いたくなる軽さ。
  • 春麗:シャワーシーン……ってオイ!!!!!!百裂脚はもう少しエフェクトを使ってもよかったかもしれませんが、アクションシーンは全体的に満足度が高い。
  • ブランカ:大きすぎるのでは?と思いましたが、再現度で言えばかなり高め。
  • ダルシム:性格も技も見た目も再現度が高く、ヨガファイヤーがあれば完璧。
  • ザンギエフ:さすがにスクリューパイルドライバーは無理か…と思いつつ、彼も再現度はかなり高い。
  • E.本田:めっちゃいい人。技も含めて再現度が高く、文句なしの◎。
  • ベガ:陰キャっぽさが気になります。もっと堂々としていてほしいですし、エスカルゴにそこまで怒らなくても……。
  • キャミィ:キャノンスパイクを見せてほしかった……。
  • ダン:設定はかなり違いますが、洋画に出てくるいいやつポジションだったので、まあアリ。
  • 豪鬼:技も含めてクオリティはかなり高いものの、負けてほしくなかったキャラ。
  • ユーリ:まさかの登場。近くにいたのがユーニ?操られているかはさておき、特に文句は無し。

まとめ

非常に楽しめた一方で、非常に惜しくて残念な作品でした。差し引きして評価は★3つです。 突き抜けて★5にしたい気持ちもあれば、「えぇ…」で終わってしまって★1と言いたい気持ちもあります。 映画も好きでストリートファイターも好きだから、感情がブレブレなのかもしれません。


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